配当による現金収入が魅力的で多分ほとんどの方は一度は考える高配当ETF。
私も高配当ETFでNISAを埋める事を一度は考えていたわけですが、動画でもブログでも「追加投資で枠を使うから非効率的」と説明があり、おススメしないけど現金収入嬉しいからそれもいいよねという結論に行き着くものしか出てこないので、結局自分が納得できるかが重要という、高配当ETFに限らず投資そのものへの答えというかそんな感じでした。
そもそもインデックス投資と高配当ETFだと、インデックス投資のほうがリターンが大きい。これは過去のデータからはっきりしている。下落局面においては高配当ETFのほうが下がり幅が小さいとあるが、長期投資の視点で見れば結局インデックス投資のリターンに適わない。(この場合のインデックス投資はオルカンかS&P500連動とする)
単純に資産的な意味のパフォーマンスで高配当ETFを選ぶ理由はそもそも無いわけである。
それでも高配当ETFを選びたいという選択肢があるのは出口戦略にある。
インデックス投資で積立続け、取り崩しの時期に暴落が来たら……
10%下落なら耐えられるかもしれない。4%ルールで取り崩ししていけばなんとかなるだろう。
だが30%下落して、しかも積立額のほとんどをその時に崩す必要性があったら。
投資額から見れば増えているはずなのに、大損した気分に陥る人が大半ではないか。
私も多分そうなる。
高配当ETFの場合は、そもそも取り崩しをせず配当を得るのが目的で投資するので、暴落により価格が下がる事そのものは関係がない。当然減配はするだろうが、まともなETFなら配当が戻るのも早い。売るつもりがないのだから、暴落しても構わないわけだ。
ここまで書いて、結局高配当ETFでも大金必要になったら売る必要あるから暴落時のリスク同じだよねという点に気付いてしまったが、そこは配当で得た現金資産を充てる事でリスク分散してるよなという事で見なかった事にしよう。
ごちゃごちゃと書いたが、これでは答えが出ていない事がある。
「追加投資で枠を使うから非効率的」
私の無い知恵ふり絞って考えてもこの理由が分からず、解説している動画等も非効率的とは言うが、なぜそうなのかという点にまで説明しているものは見つけられなかった。
端数が出てキレイに使い切れないというのは分かるが、成長投資枠1200万の枠で言えば誤差と言ってもいい。米国高配当ETFだと10%の税金が掛かるから非効率というなら、枠を使う事で非効率という意味にはならない。そもそも日本高配当ETFならそれもないので、同様に違う。
考えても分からないのなら、計算してみよう。
条件
- 1年の積立額は100万とする。
- インデックス投資の年間リターンを5%とする。
- 高配当ETFの配当利回りを5%とする。
- 高配当ETFの配当金は全て再投資する。
- 高配当ETFの評価額は変動しないものとする。
ここで突っ込みは犠牲になってもらう。計算を簡単にするための犠牲にな。
※インデックス投資=投信 高配当ETF=高配当とする。
年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
投信積立額 | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 700 | 800 | 900 | 1000 |
リターン | 5 | 15.2 | 31.0 | 52.5 | 80.1 | 114.2 | 154.9 | 202.6 | 257.7 | 320.8 |
投信合計 | 105 | 215.2 | 331.0 | 452.5 | 580.1 | 714.2 | 854.9 | 1002.6 | 1157.7 | 1320.6 |
高配当積立額 | 100 | 205 | 315.2 | 431.0 | 552.5 | 680.1 | 814.2 | 954.9 | 1102.6 | 1200 |
リターン | 5 | 10.2 | 15.7 | 21.5 | 27.6 | 34.0 | 40.7 | 47.7 | 55.1 | 60 |
高配当合計 | 105 | 215.2 | 331.0 | 452.5 | 580.1 | 714.2 | 854.9 | 1002.6 | 1157.7 | 1260 |
積立額の項目がいわゆる成長投資枠の事を指します。
投信のリターンは合計リターンと読み替えたほうが適切かもしれない。
リターンが同じなので結局最終的な利益は同じなわけです。やっぱり枠を使うのが非効率ってのは税金とかの事なんだろうなと思ったわけです。
10年目を見るまでは。
これ以降高配当ETFは1200万に5%で配当が出る=年60万で止まり、インデックス投資はリターンが再投資されぐんぐん合計金額が伸びていきます。さらにインデックス投資は基本的に積立枠なので最大1800万まで積み上げ上げる事ができるので、将来的な資産は大幅に差が開きます。
高配当ETFも特定口座で続ける事はできますが、2~3割の税金が引かれるので差は埋まりません。
そもそもとして条件が高配当ETFに有利になっているわけですが、それでもインデックス投資の積立には見劣りする結果となったのです。
S&P500だと7~10%リターンいけるし、高配当ETFって高くて安定しているのが4%、不安定なのが5~10%と、平均5%がキツイ種類の物なので、現実はもっと差が開くでしょう。
この点を理解した時から私のNISA戦略はインデックス投資で積立を基本。
現金の余裕があり、ETF価格の下落時にスポット買いとなりました。
単純に高配当ETFは投信みたいに一定額積立続ける買い方がやりにくいってのもあります。
(この場合のやりにくいは、株価を上回る金額で積立しないと購入できないの意)
資産形成期はおとなしく積立、余剰資金で多少の配当金を狙うのが、リターン的にも精神的にも一番いいのかなと思った次第です。
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