私のNISA方針

結論として私は《全世界株(楽天オルカン)》と《全米株(楽天S&P500)》を、
3万づつの計6万を毎月積み立てる事に決定した。

しかし、この結論にいたるまでの道のりは長く険しく、
まるで霧深い迷いの森を行くかのように、迷いに迷い熟慮を重ね、
最後は【自分がどうしたいのか】の視点に立ち返り、リスク許容度も兼ねて決定した。
以下にその考えの変化を記そう。

最初の方針 利益の最大化 実現可能か?

オルカンに月10万

15年で積立て1800万を使い切り、資産の最大化を考えた選択だった。
が、生活を切り詰めて少々無理をする必要があるため、今を我慢して将来に備える事になる。
だが今まで意識低く生きてきた私が、いきなり生き方を変えても無理が出るのは目に見えている。

よく投資する事に対する批判意見に、
「老後に備えて今節約して投資とか本末転倒」
という意見が出るが、私は一理あると思っている。
老後にお金だけあっても何もできない。

健康に行動できる今を犠牲にして、それで本当に満足できるか?

お金で時間を買う事は出来なくもないが、限度がある。
医学の進歩で肉体年齢が大幅に改善する事はあるかもしれない。
しかし脳の機能復活は、何かブレイクスルーが起きなければ、
少なくとも私が生きている間は不可能だろう。

投資は余剰資金でやるものという事もある。
そこで月7.5万、20年積立の方針に至った。

第二の方針 私は今を生きている

私は夢の一つに家の購入がある。中古で構わない。DIYが好きなので修繕は自分でやる。
趣味にゲームとキャンプがある。自分のためのキャンプ場として山が欲しい気持ちもあった。
もっとも投資について勉強すると山を所有したい気持ちは無くなったが。

家は難しいにしても、趣味のゲームはやめる気がない。
ノーゲーム、ノーライフである。そんな小説実在してるがそっちではない。
キャンプもある理由でやめない。いつか話すときがあるかもしれない。

つまり今生きるのにお金は必要で、投資だけに拘るのは私の幸福度低下に繋がる。
そこで見つけたのが、今使えるお金も増やせる《高配当ETF》だった。
投資をしつつ、一定期間毎に配当金が貰える高配当ETFは、私にぴったりの選択肢だと思った。

《高配当ETF》の利点に不景気時に強いというのも惹かれた。
全額投資信託で積み立てた場合、
現金化するときにリセッションが来て価値が半減とか心が持たない自信がある。
そこでオルカン3万、高配当ETF4万の方針で行こうと決めたのだ。

第三の方針 制度の壁は越えられない

【NISAで高配当ETFは、投資枠を使うから効率が悪い】

こんな動画も良く見ていたが、配当金が主目的であれば問題ないし、
そもそも、仮にリターンが同じだとして再投資した場合でも%で計算するのだから、
リターンは同じはずなのに、なぜ効率悪いという話になるのかという疑問があった。
枠を使うから効率が悪い」という説明はあっても、
枠を使うと効率が悪い理由」を説明した動画は、私には見つけられなかった。

そこで自分で計算してみて、おそらくこれだろうという理由が分かった。
【成長投資枠1200万を使い切った後のリターンに差が開くから】

なるほど。自分で試算するのが大事だというのが良くわかる。
私の場合1200万は時間がかかるが十分入金可能レベルなので、この差は結構大きいと判断した。
この結果も後日記事にする予定である。
そしてオルカン月5万
ETFの価格やそのときの自分の状況に応じて、
高配当ETFを追加購入するのが自分のバランスにいいと考えたのだった。

第四の方針 迷い 欲望と恐れ

本当にこの方針でいいのか。S&P500ならもっとリターンが大きいのではないか。
インド株、FANG+、ナスダック。そしてリセッションの前兆かもしれないデータ群。

積立投資は何も考えずインデックス投資をするのが概ね正解だというのは理解できる。
リスク管理の面で長期でオルカンが一番適切なのもわかる。
しかし、どうしても欲が出てくる。もう少しリターンを増やせないか。
だがそれはリスクでもある。リスクがあるからリターンがあるのもわかる。

さて、私はどこまで【乗る】事ができるか。

同時に怖い。欲を出せば失敗する。投資に欲を出し破滅していった者は多数いる。
もしかしたら誇張されているだけで実はそんなにいないかもしれない。
だが、自分がそうなってしまえば笑い話どころではない。

得るかもしれない利益を逃す恐怖。
得てもいない利益を失う恐怖。
魔物は己の心の中にいる。
方針は何も決められず、第三の方針を消極的な意味で続ける事となる。

第五の方針 なんのために投資をするのですか?

私は自分を臆病な性格だと思っている。何か行動するとき、失敗した場合の事を必ず想定する。
バトル漫画で「負ける事を考えて戦うヤツがいるか」というセリフはよく見るが、
現実は失敗したあとも生き続けるわけで、その失敗がより悪い状況を引き寄せる事はよくある。
そして私自身「人間は誰でも失敗をする。だからリカバリー策が重要」と考えている。
なんでこんな考え方になったのか深く考えたことはないが、
恐らく何度も失敗を繰り返したからだろう。
だから、リカバリーできる何かを用意したい。現金は無理だ。ない物はない。

《敗者のゲーム》以外にもいくつか本を読んだ。投資における精神論を語る動画も見た。

結論は思ったより簡単に出た。
私はなんのために投資をするのか。
老後に金銭的な不安を持たず、家族に最低限迷惑をかけないようにしたい。
できれば少し先の未来で金銭的余裕を持ちたい。
これが目的である。

つまり、私の投資の目的は【ある程度の資産】であり【最大限の利益】ではないのだ。

投資で利益を出すのが目的ではない。投資は目的を達成するための手段だ。
DIYと同じ。自分が欲しいものを、自分のため、自分で作る。その道具をどうするか。
プロが仕事で使うような高級な道具を使っても持て余すだけ。
私は自分が納得できるクオリティの物が作れて、それを使えればいい。
高級電動工具に憧れはある。だが使ったところでクオリティが上がるとは限らない。
高いクオリティの作品が作れたとして、どこまで自分の幸福に繋がるか。

足るを知る

あえて悪く言おう。身の程を知れ

とは言え、得られるリターンは欲しい。暴落も怖い。
全米株は魅力的だが、アメリカが没落してしばらく低迷する事もありえる。
悪い事が発生するのを予想するのではない。発生してもいいように対処する。
全世界株がダメなときは資本主義経済の崩壊だ。諦める。

そして最終的に《全世界株》3万、《全米株》3万の方針に落ち着いた。

理由はアメリカ経済の低迷が発生した場合のリカバリーである。
まずアメリカが今後も株価が伸び続けるのであれば全米株、全世界株両方がリターンを得る。
もちろん全米株のみに比べリターンは落ちるが、構わない。

そしてアメリカ経済が低迷し、別の国が盛り上がり続ける場合。
全世界株のほうでリターンを得て、全米株は投資を続ける。
もしアメリカ経済が本格的にダメになりそうなら全米株の積立を止め(とりあえず売らない)
全世界株6万の購入に切り替える。

おそらく、アメリカ経済が一時的に低迷を続ける事はあっても、
ダメになる可能性は限りなく低いと考える。
なんだかんだで新たな企業が生まれ、世界の中心であり続けようとするだろう。
そうなれば、低迷期に仕込んだ全米株が宝の山となる。

そして適宜高配当ETFを買い、現金収入を少しづつ増やしていく。

これがない知恵を絞って必死に考えた、私のNISA方針です。

最後に

NISAの方針で悩んでいる方は、
おそらく私と同じく一般的な意味のでリスク、リターンで迷っていると思われます。
リターンは欲しいけど、もし資産が減ったら……
自分が選んだ銘柄のリターンは5%だったけど、あの銘柄だと10%も……

投資をするのはお金を増やしたいからだと思います。
では、その【増やしたお金で何をしますか?】
増やした資産の金額で競いたいのですか? 競った先にあるのは何ですか?

人である以上、欲望を切り離す事はできません。
ですが、ある程度制御することはできます。しなければなりません。

欲望の果ては、破滅と相場が決まっておりますから。

投資だけに。

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